半導体デバイス3次元TCADシステム Advance/TCAD 解析事例

界面再結合・深い準位の再結合

TCADはデバイス構造を基に電流-電圧特性を解析するデバイス構造シミュレータです。同時に、バルク中の欠陥密度や界面準位を基に、材料が持つ性質(物性)と電気的特性(電流-電圧特性)を繋ぐ材料の電気的特性シミュレータでもあります。

Gate Induced Drain Leakage

TCADはドリフト-拡散モデルに基く流体モデルです。豊富なモデルを内蔵し、デバイス特性評価を支援します。豊富なモデルのラインアップにより、トンネル効果に基づく電流も、本来のチャネル電流と共に手軽に解析可能としています。

アバランシェ(なだれ増倍)

従来のデバイスシミュレーションでは収束しにくい雪崩増倍によるソフトブレークダウンの問題も負荷抵抗や基板抵抗を含めることで、実際の構造に準拠して解析可能としています。ソフトブレークダウン、浮遊基板の電位の自動解析、或いは雪崩増倍に伴う基板電流の解析等を可能としています。

SOI-MOSFET

SOI構造は従来のデバイスシミュレーションでは収束しにくい課題の一つです。TCADでは強安定を武器にSOI構造も容易に解析可能としています。

SOI-Double Gate

Double-gate SOI を課題として電流-電圧特性を解析しています。また、複雑な構造に対する容易入力をサポートするGUIとメッシュの生成を支援するGUIも充実しています。

メッシュの効率化

メッシュ生成はユーザにとって最も面倒な作業です。TCADでは専用のメッシュ生成ソフトを自社開発し、リアルタイムでメッシュ生成と最適化、即ち、数値計算の精度と収束性を確保しつながらメッシュ数を低減させることを可能としています。例えば、直交格子で4万メッシュある系の粗密調整を行い、2万メッシュまで自動圧縮します。計算時間は27.5%まで短縮化され、精度も変わりません。

ワイドギャップ半導体

これまでエネルギーギャップ(EG)が大きい場合や異種材料の接合によるバンド不連続量が大きくなると収束しなくなる傾向がありました。TCADではシリコン酸化物のバンドギャップとして知られている9 eVを超えても容易に収束します。また、Si/SiO2の界面で発生するバンド不連続(3.1 eV)にも対応可能なシミュレータです(バンド不連続を扱うモデルはオプションです)。

Si TFT

SOIと同様、チャネル領域が電気的浮遊層となるため、収束が難しい構造です。安定収束を武器にTFT構造に対しても安定に収束解を得ることが出来ています。図示されたデバイス構造のチャネル領域はシリコンを仮定していますが、GUI画面で材料定数を書き替えることが簡単に行えます。書き替えられた材料定数は保存され、次回よりユーザ固有のデータベースとして活用することができます。

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