沸騰・凝縮を伴う気液二相流が精度よく解ける世界有数の市販ソフトウェア Advance/FrontFlow/MP

Advance/FrontFlow/MPとAdvance/FrontFlow/red(VOF法)の違いは何ですか?

Advance/FrontFlow/red(VOF法)は、VOF法により気液界面の挙動を直接計算します。
Advance/FrontFlow/MPは、二流体モデルにより気液界面の挙動を、構成方程式(主に経験式)を使って平均的な分布として計算します。
MPは計算メッシュサイズや時間刻みをより大きくとれるため、大規模な系の解析を実施することができます。一方、red(VOF法)は界面の挙動を直接計算するため、界面挙動の詳細な構造を理解することができます。

Advance/FrontFlow/MPはどのような解析に適用できますか?

複雑な形状を示す流体機械内部における

  1. 沸騰・凝縮など相変化を伴う二相流の解析
  2. 気泡の合体・成長による気泡径の変動を伴う二相流の解析
  3. 固体(壁面など)と流体の熱連成解析(沸騰による気泡生成含む)
  4. 気泡流・噴霧流の解析
  5. 気液界面の挙動の予測(スロッシング等)
  6. 液中の固体粒子の凝集を伴う混相流の解析
  7. 気液の分離効率の評価

などに適用できます。 そのため、ダイナミックに変動する流体装置内部のシミュレーションが可能です。

Advance/FrontFlow/red(VOF法)はどのような解析に適用できますか?

気液界面の変形挙動を伴う

  1. インクや薬品の塗布流動解析(塗布の安定・不安定状態や膜厚の解析)
  2. 燃料タンク内部などでのスロッシング解析(液面挙動・壁面圧力・溢水状態の解析)
  3. 給油管内部などでの自由表面を伴う流動解析
  4. 開水路の水位と流速の解析
  5. 津波の解析
  6. 毛管現象(毛細管現象)の解析(表面張力による流動解析)

などに適用できます。

Advance/FrontFlow/MPやAdvance/FrontFlow/red(VOF法)では、解析条件の詳細設定やデータ入出力形式などを柔軟に変更することはできますか?

当社は様々なコードの開発元であり、Advance/FrontFlow/MPおよび Advance/FrontFlow/red(VOF法)についても開発の初期段階から携わっておりますので、入出力インターフェイスのカスタマイズなど、計算ソフトウェア周辺環境に関するお客様のご要望にも柔軟に対応させて頂くことが可能です。当社では以下のようなご要望に対応することが可能です。

  1. モデルの追加
  2. データ入出力形式の変更・カスタマイズ
  3. GUI整備
  4. お客様所有ソフトなどの他プログラムとの連携支援

二流体モデルを使うメリットは何ですか?

2つの連続体の方程式を解く二流体モデルでは、気液界面の挙動を直接計算しないことにより、VOF法に比べて計算メッシュサイズや時間刻みを大きくとれます。そのため、計算コストを低減させたり大規模な解析を実施することができます。また、二相の速度・温度などの分布の違いを計算することもでき、実験観測における各相の詳細な分析に活用することができます。

流動様式はどのように分類されていますか?

ボイド率(気体の体積割合)によって気泡流、中間領域、噴霧流に分類されています。 気泡流と中間領域、中間領域と噴霧流の閾値はユーザーによる設定が可能です(標準設定では、それぞれ0.3と0.75としています)。

沸騰・凝縮を考慮しても計算を安定的に行うことができますか?

沸騰・凝縮は質量の大きな変化を伴う相変化ですが、Advance/FrontFlow/MPでは各相の質量とエネルギーの保存精度を高める数値アルゴリズムを開発・実装したことにより、当社実施ケースにおいて質量誤差を0.1%以下、熱収支誤差を1%以下程度に抑制することができました。この結果、沸騰・凝縮を伴う場合でも安定的に計算を実施することができます。

気泡成長を扱うことはできますか?

できます。Advance/FrontFlow/MPではユーザーが指定する気泡径分布領域の中で、気泡合体モデルにより気泡径が成長する過程をシミュレートすることができます。

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