有限要素法 構造解析ソフトウェア Advance/FrontSTR

トピックス

機能【大規模構造解析を実現するアセンブリ解析機能】
【メッシュ細分化機能「リファイナー」】
【混在自由度対応】
解析事例◎主な「解析・開発事例」
・【大規模解析】
・【材料非線型解析】
・【接触解析】
・【固有値解析】
 その他の「解析・開発事例」は こちら
研究開発・【接触解析のための複合要素の開発】
・【地震解析:地震による地盤の変動を解析するプログラム】
・【大規模固有値解析】

Advance/FrontSTR の概要

実際の製品や構造物の強度を設計・評価する場合に有限要素法による構造解析が多く用いられます。従来の構造解析は、あらかじめクリティカルになる部位を設計者が想定し、その部位に対する解析を行うことが一般的でした。

ところが、近年の計算機能力の飛躍的向上により、製品や構造物をまるごと解析するというニーズが産業界で高まっています。

アドバンスソフトでは、このニーズに応え、先進性と実用性を兼ね備える構造解析ソフトウェアとして Advance/FrontSTR を提供するとともに、機能および性能の向上に取り組んでいます。

バージョン情報

2022年6月に、Advance/FrontSTR Ver. 6.2 をリリースしました。

Ver. 6.2 で追加された新機能

  • 膜要素の導入
  • コンクリートモデルの導入
  • 地殻変動解析機能への拡張
  • 回転変位境界条件の導入
  • オンラインマニュアルの整備、テストケースの追加
  • バグ修正など

Advance/FrontSTR の特長

  • 大規模並列計算が可能で、高い並列効率
  • ex:静解析 2 億自由度を 1000コア 30 分
  • 多くの CPU(コア)を利用しても、追加料金がかからないシンプルな価格体系
  • ex:1ライセンスで並列数は無制限
  • 低価格にもかかわらず、必要な機能を提供
  • ex:接触解析、アセンブリ構造、リファイナー
  • 開発者によるサポートおよびカスタマイズサービスを提供
  • ex:特殊な要望も Advance/FrontSTR をカスタマイズして対応
  • お手元の PC で、1 CPU 版として手軽な解析も可能

Advance/FrontSTR の機能説明

解析機能一覧

Advance/FrontSTR の解析機能一覧を下表に示します。

利用可能な解析

変形解析静解析
動解析直接積分法(陽解法)中央差分法
直接積分法(陰解法)Newmark-β 法/HHT 法
固有値解析Implicitly Restarted Arnoldi 法
モード合成解析時刻歴応答解析、周波数応答解析
熱伝導解析定常解析
非定常解析(陰解法)相変態材料

非線形解析機能

幾何学的非線形Total Lagrange 法、Updated Lagrange 法
境界非線形(接触)Augmented Lagrange 法、有限すべり、摩擦
材料非線形
弾性材料弾性/超弾性/粘弾性
非弾性材料弾塑性(等方/移動/複合硬化)、粘塑性、
異方性塑性降伏関数、コンクリートモデル

要素ライブラリ

ソリッド要素四面体、六面体、プリズム、ピラミッド(以上 1次 および 2次)
非適合モード、B-bar 要素、低減積分要素
シェル要素三角形、四辺形(以上 1次 および 2次)
MITC 要素
膜要素三角形、四辺形(1次 および 2次)
梁要素Euler-Bernoulli、Timoshenko、縮退梁要素、非線形 Euler 梁
トラス要素1次/2次/3次
その他接触要素、マス要素、熱解析用ギャップ要素、ジョイント要素

大規模解析支援

  • アセンブリ構造対応
  • メッシュ自動細分化(リファイナ―機能)

地盤変動解析

  • 地殻変動解析用のモデル作成機能

並列計算機能

Advance/FrontSTR が基本とする反復解法では領域分割により並列計算を実行します。そのため、使用可能なプロセッサー数に上限はなく、またさまざまなアーキテクチャーの計算機に適合します。領域分割による並列計算の実行手順を下図に示します。

Advance/FrontSTR の解析機能の計算手法は、幾何学的/材料非線形/境界非線形静解析においては Total Lagrange 法および Updated Lagrange を、固有値解析にはランチョス法を、線形動解析の過渡応答問題には直接積分法を採用しています。また、非線形問題では、ニュートン・ラフソン法による繰り返し計算手法を用いています。

Advance/FrontSTR における接触解析は、これまでシングルプロセッサでの静的変形解析に限定していましたが、現在は接触解析における静的・動的解析、および、それらの並列計算が可能になりました。これらの機能はお客さまからの要望に応じ、プログラムを改良し、実現したものです。接触機能を使った事例として、独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 情報・計算工学センター様から[1][2]等で Advance/FrontSTR を適用した事例が発表されています。

アセンブリ機能

Advance/FrontSTR は、専用プリポスト Advance/REVOCAP から簡単に操作できる「アセンブリ解析機能」があります。本機能を利用することで、部品毎に作成したメッシュを用いて、まるごと解析が可能です。

具体的には、部品間の接合境界面を指定することにより、各部品ごとの個別メッシュをアセンブルします。アセンブルしたデータをまるごとソルバに渡すことにより解析が可能です。

メッシュ細分化機能

Advance/FrontSTR のすべての解析機能および要素タイプにおいて、プログラム内部でメッシュを自動的に細分化する機能が利用できます。簡単な指定を行うことにより、解析に必要な微細メッシュを容易に作成することが可能となります。メッシュ細分化の例を下図に示します。

また、Advance/REVOCAP 以外のツールによるポスト処理のために、AVS 形式あるいは FEMAP Neutral 形式のファイルが指定により出力できます。

混在自由度対応

機械部品に多くみられるシェル・ビーム要素とソリッド要素が混在したモデル(混在自由度)の解析が可能です。

プリ・ポスト環境

Advance/FrontSTR のすべての解析機能にきめ細かく対応するプリポストプロセッサ Advance/REVOCAP を推奨します。また、MicroAVS、ParaView 向けの形式でも出力が可能です。お客さまが現在お使いのプリプロセッサとの連携につきましては、ファイルコンバーターの提供が可能です。対応するプリプロセッサにつきましては、お問い合わせをお願いいたします。

連成解析対応

Advance/FrontSTR による構造解析と流体解析、音響解析、電磁場解析などとの連成解析が可能です。

Advance/FrontSTR の動作環境

Advance/FrontSTR は以下の環境に対応しています。

OSRedHat Enterprise Linux 6(64 bit)以上、またはその互換ディストリビューション、Windows 10(Windows Subsystem for Linux(WSL)を利用)以上
CPUx64(Intel Xeon など)
メモリ解析の種類や規模による(目安として、単純な静解析では 5 万節点あたり 1GB が最小必要量)
並列計算Gigabit Ethernet や InfiniBand などによるノード間接続、NFS などによるファイル共有が必要

※ FX10 など、上記基本構成以外での動作実績もあります。お気軽にお問い合わせください。

Advance/FrontSTRについて

Advance/FrontSTR は、東京大学生産技術研究所革新的シミュレーション研究センターが実施した文部科学省次世代IT基盤構築のための研究開発「革新的シミュレーションソフトウェアの研究開発」プロジェクトおよび「イノベーション基盤シミュレーションソフトウェアの研究開発」プロジェクトの成果(ソフトウェア)をアドバンスソフトが商品化したものです。アドバンスソフトはこれらのプロジェクトに参加しソフトウェアの開発を担当しましたが、その成果を独自に改良して商用パッケージソフトウェアとし、販売保守を行っております。

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