昨年度は「【技術セミナー】プラントエンジニア向け流体セミナー【基礎編】」と題して初心者向けに管路内流体シミュレーションの基礎セミナーを実施しました。

今年度は「管路系流体解析『超』難問セミナー」と題し、従来の解析アプローチでは困難な高度に複雑かつ非線形な管路系流体解析に焦点を当て、数値計算上の stiffness やプログラミング上の実装の複雑性などによってシミュレーションにおける安定性・収束性の確保が極めて困難となる事例として以下のキーワードに関連する技術的課題を取り上げました。

  1. 物性値の急変や熱伝達特性の特異性を伴う超臨界圧領域から亜臨界圧領域への遷移
  2. 複雑な状態方程式による実在流体の熱力学物性
  3. 圧縮性、臨界流れ、分子流領域などの考慮が必須の超高圧から超低圧(高真空)へ
  4. 大規模連立方程式の解法、大幅な計算コスト、計算コストと相反する計算安定性の確保などを必要とする大規模複雑管路ネットワーク

これらの「超」難問に対し、適切な基礎方程式系の定式化、数値解法(陰解法/陽解法、離散化スキーム、安定化手法)、および効率的なシミュレーション技術(解法アルゴリズム、物性値の計算方法など)について、具体的なアプローチを解説いたしました。

実際のプラント設計開発、運転管理において直面する解析的・数値的アプローチが困難な諸問題、あるいは複雑な熱流動現象の解明が求められる高度な解析ニーズをお持ちの方々に対し課題解決への糸口となる実践的知見を提供いたしました。

皆さまからのお問い合わせを心よりお待ちしております(PDF:6,750kB)。