著者山口 憲  冨澤 一隆
定価¥3,876 (税込)
形態A5版/251頁/ハードカバー
発行所アドバンスソフト出版事業部
発行日2011.1.31
ISBN978-4-9903316-3-4


半導体デバイス設計に携わる技術者が必要とする知識を輸送論、散乱・緩和モデル、材料・デバイスモデルから解きほぐし、解析結果・設計応用まで詳細に述べています。シミュレーション結果をCG化することにより、初心者にも半導体物理を視覚的に捉えられるよう考えています。

目次

まえがき
第1章 電子輸送の基本式
1.1 ボルツマン方程式
1.2 物理量の算出プロセス
1.3 物質保存則
1.4 運動量保存式
1.5 エネルギー保存式
1.6 緩和係数
1.7 キャリアを駆動する外力
1.8 まとめ
参考文献

第2章 ミクロモデル・モンテカルロ計算による緩和係数算出
2.1 分布関数と緩和レート
2.2 モンテカルロ法による緩和レートの計算
2.3 キャリア輸送のモンテカルロ計算
2.3.1 自由時間の決定
2.3.2 ドリフト過程の計算
2.3.3 散乱過程の計算
2.3.4 バルク電子の散乱レートの式
2.3.5 擬2次元電子の散乱確率の式(三角ポテンシャル内の2次元電子について)
2.4 電子の平均ドリフト速度・平均エネルギーの計算
2.5 キャリア輸送計算の具体例
2.5.1 バルクシリコン結晶中の電子輸送
2.5.2 均一電界が加わったシリコン中の電子の速度オーバーシュート現象
2.5.3 擬2次元電子の速度オーバーシュート現象
2.5.4 電子の緩和係数の計算例(バルクシリコン中の電子について)
2.5.5 緩和係数の計算例(MOS界面の擬2次元電子について)
2.6 まとめ

第3章 半導体材料物理
3.1 固体中の電子のエネルギー状態
3.2 状態密度と電子数
3.3 真性フェルミの定義と擬フェルミの導入
3.4 外因性半導体
3.5 電子親和力、仕事関数とポテンシャルの基準値
3.6 まとめ
参考文献

第4章 半導体デバイス物理とモデル化
4.1 輸送方程式の現象論的理解
4.2 輸送係数
4.2.1 移動度
4.2.2 ドリフト速度の電界強度依存性
4.2.3 移動度モデルの理論的考察
4.2.4 MOSFETの移動度
4.3 キャリアの生成・再結合
4.3.1 直接再結合過程
4.3.2 間接型再結合過程
4.3.3 半導体における捕獲中心
4.3.4 Auger(オージェ)再結合
4.3.5 Avalanche multiplication (雪崩増倍)
4.3.6 アルファー線、宇宙線によるキャリア生成
4.3.7 太陽光によるキャリア発生
4.4 トンネル現象のモデル化
4.4.1 絶縁膜中のtunneling のモデル化
4.4.2 Band-to-band tunneling のモデル化
4.4.3 Trap-assisted tunnelingのモデル化
4.5 小信号パラメータ
4.6 まとめ
参考文献

第5章 数値計算の方法
5.1 Poisson方程式の解法
5.2 1次元電流連続式の解法
5.3 2次元電流連続式の解法
5.4 3次元電流連続式の解法
5.4.1 擬フェルミポテンシャルの指数関数法
5.4.2 電子、正孔密度法
5.4.3 擬フェルミポテンシャル法
5.4.4 電流積分法
5.5 安定性の解析
5.5.1 陽解法の安定条件
5.5.2 陰解法の安定条件
5.5.3 移流項付き熱拡散型方程式の安定性
5.6 まとめ
参考文献

第6章 ダイオードの動作解析
6.1 基本動作:バンド構造と電流-電圧特性
6.2 逆方向飽和電流の解析
6.3 まとめ
参考文献

第7章 電界効果型トランジスタ(FET)の動作解析
7.1 MESFETの基本動作
7.1.1 電流飽和型動作
7.1.2 電流非飽和型動作
7.2 MOSFETの基本動作
7.2.1 MOSFETのしきい電圧
7.2.2 MOSFETにおける構造微細化設計
7.2.3 MOSFETの微細化を阻むバラツキ問題
7.3 FETにおける雪崩増倍効果
7.3.1 弱い雪崩増倍
7.3.2 降伏特性
7.4 LSIにおける配線容量
7.5 まとめ
参考文献

第8章 準バリスティック動作シミュレーション
8.1 AlGaAs HBT のシミュレーション
8.2 ダブルゲートMOSFET のシミュレーション
8.3 MOSFETにおける準バリスティック輸送シミュレーション
8.3.1 基本式
8.3.2 緩和レートモデル
8.3.3 緩和レートにおけるパラメータ間の相関
8.3.4 MOSFETのシミュレーション
8.4 まとめ
参考文献

A. 付録 キャリア散乱の理論
A.1 はしがき
A.2 不純物散乱
A.3 フォノン散乱
A.3.1 音響フォノン散乱
A.3.2 非有極性光学フォノン散乱
A.3.3 有極性光学フォノン散乱
A.4 キャリア・キャリア散乱
A.4.1 プラズモン散乱
A.4.2 2体散乱(異種粒子の場合)
A.4.3 2体散乱(同種粒子たとえば電子・電子散乱の場合)
A.5 非放物線的バンド内でのキャリアの散乱
A.6 擬2次元電子ガスの散乱
A.6.1 音響フォノン散乱と非有極性光学フォノン散乱
A.6.2 有極性光学フォノンによる散乱
A.7 その他の散乱機構
A.7.1 合金散乱
A.7.2 圧電効果散乱
A.7.3 擬2次元電子の界面ラフネス散乱
A.7.4 擬2次元電子のイオン化不純物散乱
A.8 まとめ
参考文献