アドバンスシミュレーション Vol.14, 菊池 愛子, 井田 喜明, 戸田 則雄, 2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震発生(M9.0)では自然の脅威を思い知らされました。地震は地球表面上のプレート運動に伴って発生するものですが、東北地方太平洋沖地震では陸側プレートに固着していた海洋側プレートの一部がはずれて断層を生じ、その面を境に激しくすべって強い地震の揺れをもたらしました。断層運動の影響により地表の変形および地中応力の変化がもたらされます。東北地方太平洋沖地震が発生直後に海底にある地表面の隆起により巨大な津波が発生し、東北やその周辺の火山で火山性地震の活動も活発化しました。また地中に発生した応力は時間とともに拡散し伝搬します。時間がたてば断層近傍の最大応力は低減するが、断層周辺部ではむしろ応力が増加することもあります。

今後の影響評価のために、地中応力などの解析が有効な手段となると考えられます。 当社では断層運動により発生する地殻変動および経年変化が地盤に与える影響を解析するプログラムを開発しており、実地震の解析に適用した実績もあるので、ここに報告します。(PDF:1,610KB)

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