アドバンスシミュレーション Vol.12, 小林 敏雄, 一般財団法人 日本自動車研究所 代表理事 所長, わが国には地球シミュレータの性能を大幅に上回るスーパーコンピュータ“京”が出現しました。この世界最高の高性能大容量スーパーコンピュータがサイエンス、テクノロジーの進展にどのようなブレークスルーを与えるか、イノベーションを創出するか、あるいは産業界が利活用できるのかが論議されています。 筆者は2003年東京大学生産技術研究所における最終講義において、「コンピュータ・シミュレーションが人工物設計に不可欠な時代になってくるという認識は一般的であるが、世界最高クラスのスーパーコンピュータを産業界が使いこなすにはまだ時間がかかる、このツールを持たなくては競争に勝てないと認識するにはまだ時間がかかることであろう」と述べたことを思い出します。その状況は、地球シミュレータや京の導入が実現している2012年の現時点においても、以前に比してアプリケーション・ソフトウェアの進展はみられるものの、画期的に改善された状態にはなっていないように思われます。・・・(PDF:163KB)

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