アドバンスシミュレーション Vol.32, アドバンスソフト株式会社 松原 聖, 高橋 邦生, 富塚 孝之, 本稿は、米国および欧州におけるAI(人工知能)政策と高性能計算(HPC)の国家的活用について、政府主導の研究開発体制と制度設計に焦点を当てて比較・整理するものです。米国では、NSFやDOEが主導するAI研究所やHPCインフラを通じて、科学・安全保障・エネルギー分野へのAIの実装が進みます。一方、欧州では、EuroHPC JUを中核としたAI Factories/GigafactoriesやAI Actにより、倫理と規範を重視した戦略が展開されています。両地域に共通するのは、AIを科学・産業・国家戦略の基盤と見なし、信頼性・透明性・説明可能性の確保を課題としつつ、政策・インフラ・人材の総合的整備を進めている点です。本稿では、こうした取り組みの比較を通じ、国際的な協調と競争、そして今後のAI社会実装に向けた方向性を展望します。

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