アドバンスシミュレーション Vol.32, アドバンスソフト株式会社 松原 聖, 高橋 邦生, 富塚 孝之, 量子コンピューティングは、国家規模の研究戦略の中核として、欧州と米国の両地域で急速に整備が進められています。欧州では、EuroHPC JUのもとで量子コンピュータとHPCとの統合的運用が進められ、多様なアーキテクチャの量子システムが各国に分散導入されようとしています。一方、米国はNational Quantum Initiative法に基づき、DOEを中心に理論・ハードウェア・アルゴリズム・量子制御の各分野を網羅した研究支援体制を構築しており、量子AIや次世代シミュレーション、標準化にも注力しています。両地域は異なる制度的背景を持ちながらも、量子技術とHPC・AIとの融合を通じた計算基盤の再構築を目指しており、本稿ではその構造と戦略の比較を通じて、今後の国際連携や産業応用への情報を提供します。
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