ニューラルネットワーク分子動力学システム Advance/NeuralMD

Neural Network Potential に基づいた分子動力学計算のソフトウェアです。 Quantum ESPRESSO にて出力された第一原理計算の結果を教師データとして、分子力場を作成します。この力場を利用して、 LAMMPS にて分子動力学計算を実行します。

概要

特徴

  1. 第一原理計算よりも高速、かつ、既存の分子動力学計算よりも高精度
  2. 未知の材料、未知の添加元素 など、既存の力場が無い系も取り扱い可能
  3. 研究者の勘や経験に依存しない、システマティックなシミュレーションを実現

使い方

  1. 当社にて改修を施した Quantum ESPRESSO を使用して第一原理計算を実施し、教師データを出力します。
  2. 本製品を使用してニューラルネットワークの学習(最適化)を行います。
  3. 当社にて Neural Network Potential の機能を追加した LAMMPS を使用して、分子動力学計算を実施します。

事例

第一原理計算より高速

長距離クーロン相互作用を考慮したモデルを LiCoO2 結晶に適用し、計算時間をベンチマークしています。対称関数は303個、ニューラルネットワークは 512ノード x 2層。Intel Xeon E5-2640 を 1CPU だけ使用(CPU 内では並列化)。2400原子系の 1MD ステップを、4.4秒で実施できています。 第一原理計算の数百~数千倍の計算速度を達成しています。

既存の分子力場よりも高精度

Neural Network Potential を GaN 結晶に適用し、計算結果を Tersoff 力場 ※1 と比較しています。教師データには、300K~6000K の古典分子動力学計算にて生成した500個の構造を使用しています。ポテンシャルエネルギーおよび原子に働く力について、DFT計算の結果をよく再現しており、Tersoff などの既存の力場よりも高精度であることが確認できます。
※1 多体系分子力場 https://lammps.sandia.gov/doc/pair_tersoff.html

バージョン情報

Advance/NeuralMD Ver. 1.9.2 をリリースしました(2024年3月25日)。

Ver. 1.9.2 で追加された新機能

  • SLHMC:セル形状の2次元方向および1次元方向のみの変形に対応
  • SLHMC:Quantum ESPRESSO 計算でのエラーログ出力を強化
  • エネルギーと電荷の標準偏差の最大値(maxEDiv, maxQDiv)の設定を追加
  • 教師データに含まれる元素名の後の文字を学習時に無視する機能を追加

詳細はマニュアルのバージョン情報をご参照ください。

動作環境

OS

  1. Windows 10・Windows 11(64 bit 環境対応)
  2. CentOS 7(64 bit 環境対応)(2024年6月30日のOSサポート終了に伴い、本製品でもサポート対象外となります。)
  3. AlmaLinux 8(64 bit 環境対応)

ライセンス・価格

エディション

  • トライアルパッケージ
    • 1カ月間無料
    • 製品パッケージの全機能を使用可能
  • 製品パッケージ
    • Base
      • 基本的な機能をお使いいただけます。
    • Pro
      • 基本機能に加え、強化された追加の機能をお使いいただけます。
      • Ver. 1.9.2 Pro 版では、GPU を使った計算が利用可能です。
      • Windows では Pro 版はご利用になれません。

ライセンス形態

OSライセンス形態
Windowsノードロック(リモートデスクトップ利用可)
Linuxフローティング

価格表

年間ライセンス(万円/年、税抜)企業、国研大学
Advance/NeuralMD50*25*
Advance/NeuralMD Pro90*45*
買取ライセンス(万円/年、税抜)企業、国研大学
Advance/NeuralMD150*75*
Advance/NeuralMD Pro270*135*

Advance/NanoLabo と同時にご購入いただくと、定価から2割引きとなります。

トライアルライセンス

お一人様につき1ヶ月間、トライアルライセンスを無償でご利用になれます。

ソフトウェアの導入に関するご質問・ご相談がございましたら、問合せフォームよりお気軽にお問い合わせください。

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