フラグメント分子軌道法(FMO法)計算プログラムABINIT-MPとBioStation Viewerの詳細機能
特徴
Advance/BioStationは、創薬・バイオ製品開発やタンパク質の基礎研究などの現場で、タンパク質・糖質やDNAなどの生体高分子とリガンド(化学物質等の低分子化合物)との相互作用解析における強力なツールとして役立ちます。非経験的フラグメント分子軌道法(FMO法)による量子化学計算プログラムABINIT-MPと可視化プログラムBioStation Viewerでご提供します。コストパフォーマンスに優れたPCクラスターで、生体高分子丸ごとの量子化学計算が可能です (参考:約100残基の蛋白質のFMO-MP2/6-31G計算は、 8プロセッサのOpteronクラスターで約12時間)。
ソフトウェアの導入、カスタマイズや受託解析サービスのご相談は、下記の問合せフォームより、お気軽にお問い合わせ下さい。
ABINIT-MPの主な機能
- フラグメント分子軌道法 (FMO法) による非経験的量子化学計算
- フラグメント間相互作用エネルギー解析 (IFIE解析)
- フラグメント自動分割機能 (蛋白質・糖質・核酸DNAに対応)
- FMO-Hartree-Fock (FMO-HF)法計算
- 高速なMoller-Plesset二次摂動 (MP2) 法計算
- FMO-MP2計算(分散力など生体分子に不可欠な弱い相互作用の高精度計算が可能)
- 開殻系Hartree-Fock (UHF) 計算(ラジカルなど電子スピンをもつ分子に対応)
- FMO-UHF計算
- 多層化FMO (MLFMO) 法計算 (活性部位をMP2計算、その他をHF計算)
- XUFF (Extended Universal Force Field) による高精度な古典力場計算
- FMO-QM/MM計算による部分構造最適化
- 利用可能基底系:STO-3G、3-21G、4-31G、6-31G、6-31G*、6-31G**、6-31++G**
- Mulliken電荷解析
- 計算リスタート機能
- MPIによる並列化に対応 (Windows、PCクラスター、スパコン)
BioStation Viewerの主な機能
- 蛋白質の分子構造表示 (Ball&Stick・Stick・Wire・CPK等)
- 電子密度、静電ポテンシャル、分子軌道の等値面・断面表示
- フラグメント間相互作用解析 (IFIE解析) の表示
- 電場ベクトルの表示
- 対応入力フォーマット:ABINIT-MP専用形式 (cpf)、PDB、MOL、MDL、XYZ、Pno、Gaussian cubeファイル

フラグメント分子軌道法(FMO:Fragment Molecular Orbital Method)
フラグメント分子軌道法(FMO法: Fragment Molecular Orbital Method)は、1999年に北浦 和夫博士(現 京都大学 教授)によって提案された量子化学理論です。分子全体を小さなフラグメントに分割して計算をするため、通常の量子化学計算では不可能だったタンパク質のような大規模分子系の電子状態計算が実行できます。またフラグメントに分割するために、非常に効率のよい並列化計算が行えます。
フラグメント自動分割機能
生体高分子、低分子およびそれらの複合体では、アミノ酸残基、糖質、核酸(DNA)、リガンドとなる低分子を単位としてフラグメントに分割します。フラグメントに分割するため、大規模な計算機でなくても分子軌道計算が可能になります。また、BioStation ViewerのGUI上より、リガンド(低分子)を手動でフラグメント分割することが簡単にできます。

フラグメント間相互作用エネルギー解析(IFIE解析)
フラグメント分子軌道法計算を実行すると、各フラグメント間の相互作用エネルギー値を得ることができます。これはフラグメント間相互作用エネルギー (IFIE: Interfragment Interaction Energy) と呼ばれており、各フラグメント間の分子間相互作用情報です。これは通常の非経験的分子軌道法ソフトウェアでは計算できないユニークな情報です。IFIE解析を活用すると、タンパク質の各アミノ酸残基とリガンドとの分子間相互作用や電荷移動量を定量的に見積もることが可能となり、リガンドの結合特性を明らかにできます。蛋白質とリガンドとのドッキング構造の量子化学的な評価、またアミノ酸残基の変異体(ミュータント)による結合能の変化を定量的に予測することができます。また、タンパク質を構成する各アミノ酸残基間の分子間相互作用エネルギー値より、タンパク質の構造安定性などに関する情報を得ることもできます。さらに、タンパク質同士やタンパク質とDNA・糖鎖の複合体の相互作用など、巨大分子同士の相互作用計算も可能です。活用事例も、ぜひご覧ください。

分子構造表示
BioStationViewerは、様々な形式で分子や蛋白質を高品質に表示することができますjpegファイル等、外部へ出力することが可能で、論文等の図として利用することができます。

分子軌道の等値面・断面表示
分子の等電子密度面の静電ポテンシャルの値により色分けし、分子周囲の電場を電気力線で表現することができます。また、任意の断面上で静電ポテンシャルや電子密度分布の等高線図を描くことができます。

フラグメント間相互作用解析の表示
フラグメント間相互作用解析の例。基準となるフラグメントを指定して、基準となるフラグメントと他のフラグメントの相互作用エネルギー値が色付けされた分子構造で表示され、相互作用をするフラグメント(アミノ酸残基等)が一目瞭然に理解できます。




