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【書籍】 タンパク質量子化学計算 ― ProteinDFの夢と実現 ―

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タンパク質量子化学計算 ― ProteinDFの夢と実現 ―
監修 柏木浩 佐藤文俊
著者 柏木浩 佐藤文俊 吉廣保
稲葉亨 西川宜孝 小池聡
定価 ¥3,240 (税込)
形態 A5版/178頁/ソフトカバー/付録CD付
発行所 アドバンスソフト
発行日 2004.7.10
ISBN 4-9902143-0-7

  • 本書は,タンパク質の量子化学計算を実現するために開発されたソフトウェア「ProteinDF」について解説したものです。「ProteinDF」は世界ではじめて100残基規模の金属タンパク質の全電子計算に成功しました。この成功により、タンパク質の研究は新しいフェーズに突入したと言えます。
  • インスリンの量子化学計算の実際の手順についての記述があります。
  • 付録のCDには、タンパク質に関するカラー図やアニメーションのほか、試用版のProteinDFプログラムも納められ、これらを使うことにより、タンパク質の量子化学計算を身をもって体験することができます。

本書について

本書は、タンパク質の量子化学計算を実現するために開発されたソフトウェア「ProteinDF」について解説したものである。
「ProteinDF」は世界ではじめて百残基規模の金属タンパク質の全電子計算に成功した。そして現在においても、百残基規模の本格的なタンパク質の全電子計算が可能なソフトウェアは「ProteinDF」しかない。この「ProteinDF」によるタンパク質の全電子計算の成功により、タンパク質の研究は新しいフェーズに突入したと言える。

しかし、実際にタンパク質の量子化学計算を行おうとすると、実は案外大変なのである。物理学、化学、生物学、情報科学等の幅広い知識が要求されるためである。このことを一番実感しているのが、この分野のパイオニアである本書の著者らである。そこで、理工系修士課程の学生でも上記の幅広い分野を直観的に理解できるように、本書では可能な限り数式は割愛し、できるだけ平易な表現や身近な例を取り上げるなどの工夫が施されている。
そしてタンパク質の量子化学計算の雰囲気を肌で感じていただくために、インスリンの量子化学計算の実際の手順についての記述がなされている。計算結果を図示しながら、その物理化学的な意味についての解説も行われており、さながらタンパク質の最前線で研究を行っている気分に浸ることができる。

以上のことを通してタンパク質の量子化学計算の概観についての解説を行っているが、平易な文章による解説のために読者によっては読み応えの点で不満に思う方もいるであろう。そういう読者を想定して、本書の後半部では専門家にも満足していただけるように、この分野で必要となる情報学、物理学、化学に関する詳細な解説が行われている。まさに至れり尽せりの構成となっている。これだけでもかなり充実した内容に思えるが、さらに、タンパク質の量子化学計算を体験していただくために、本書には付録のCDが納められている。付録のCDには、視覚的に楽しめることを目的に、タンパク質に関するカラー図やアニメ ーションのほか、お試し版のProteinDFプログラムも納められている。

このお試し版のProteinDFプログラムを使うことにより、タンパク質の量子化学計算を身 をもって体験することができる。まさに本書は、タンパク質量子化学計算に興味のある人から実際に研究開発に携わっている人までご満足していただける内容 となっている。これからのタンパク質科学における必須の1冊である。

付録CD 付録CD
付録CDには、カラー図集とアニメーションが納められています。

ProteinDFシステムGUIの概要

ProteinDF

ProteinDFによる全電子計算結果 ProteinDFによるシトクロムcの全電子計算結果
シトクロムcと呼ばれる,鉄のポルフィリン環を含む104残基のタンパク質の計算結果である。 シトクロムcは、細胞内で主に電子の配達を担うタンパク質である。左の図は、シトクロムcの分子軌道エネルギーである。最高占有軌道(HOMO)が矢印で示されている。下の図は、HOMOの等値面である。左の図は拡大図である。シトクロムc中の鉄原子付近にHOMO軌道があることがわかる。
ProteinDFによる全電子計算結果 ProteinDFによるヒトインスリンの全電子計算結果
ヒトインスリンと呼ばれる、糖尿病の薬としても有名な51残基のタンパク質の計算結果である。図は、ProteinDFによる全電子計算を実行した後、等電子密度面上の静電ポテンシャルの計算を行い図示したものである。青は負に帯電している部分、赤は正に帯電している部分である。全体として負に帯電している領域が非常に大きいことがわかる。タンパク質の機能改変等への応用が期待される。

目次

まえがき

1. なぜタンパク質は量子化学計算か

  • 1.1 タンパク質の働きと電子の振る舞い
    • フロンティアとしてのタンパク質
    • タンパク質はアミノ酸からできている
    • タンパク質の構造は複雑/DNAはタンパク質の設計図
    • タンパク質のさまざまな働き
    • 電子のレベルで見たタンパク質反応のイメージ
    • 古典的計算 vs 量子化学計算
    • やはり量子化学計算が必要
  • 1.2 タンパク質全電子計算の戦略
    • タンパク質のサイズとその量子化学計算の規模
    • 密度汎関数法:タンパク質のための量子化学計算法
    • ProteinDFの開発と全電子計算の実現
    • ProteinDFの計算速度
    • 次世代量子化学システムの開発プロジェクト
    • ポストゲノム時代の量子化学計算の展望

2. 理論と計算方法

  • 2.1 密度汎関数法
    • 市民権を獲得した密度汎関数法
    • コーン・シャム・ローターン方程式は意外とシンプル
    • 密度汎関数法の計算手順/密度汎関数法の発展
  • 2.2 QCLOによるタンパク質の解法
    • SCF計算の収束の難しさ
    • 局在化分子軌道の考え方と求め方
    • QCLOとは/QCLOによる初期値作成と収束方法
    • タンパク質全電子計算の自動化
    • QCLOのいろいろな応用

3. タンパク質全電子計算の実例-インスリン

  • トライアンドエラーなしの全電子計算
  • インスリンの働きと構造
  • インスリンの原子座標の作成手順
  • 全電子計算のシナリオ
  • シナリオファイルの記述
  • 全電子計算の収束のすばらしさ
  • インスリン表面の静電ポテンシャルとアミノ酸置換
  • インスリン

4. ProteinDFプログラムの構造と並列処理

  • 4.1 オブジェクト指向技術によるプログラムの開発
    • オブジェクト指向とは
    • オブジェクト指向の基本概念
    • ProteinDFの言語とクラスの構成
    • SCF計算の流れと手続き型クラス
    • プログラムの階層化
  • 4.2 ProteinDFの並列化
    • 並列処理のハードウエアとソフトウエア
    • マスタ・スレーブモデル
    • 並列化とプログラムの階層化
    • 計算クラスの並列アルゴリズム
  • 4.3 並列化されたProteinDFの計算性能
    • 31 残基ペプチドの全電子計算による性能評価
    • 行列積の並列計算の分析
    • シトクロムcの並列計算の効率
    • 次へのまとめ

Appendix A 密度汎関数法の基礎方程式

  • 分子軌道法の概要
  • コーン・シャム方程式
  • コーン・シャム・ローターン方程式
  • ガウス型基底関数による展開と分子積分

Appendix B ProteinDFプログラムの使用方法

  • B.1 ユーザ支援と計算方法の概略
    • グラフィカル・ユーザ・インターフェース
    • タンパク質の分子構造表示
    • 分子構造表示の基本操作
    • 計算方法と計算条件
  • B.2 グリシンの分子軌道計算
    • シナリオエディタによる計算シナリオの作成
    • 分子軌道計算の実行
    • 収束状況と分子軌道エネルギーの表示
    • 計算結果の表示
  • B.3 5残基ペプチドの自動計算シナリオによる計算例
    • 5残基ペプチド
    • シナリオエディタによるシナリオの自動作成
    • 分子軌道計算の実行
    • 収束状況と分子軌道エネルギーの表示
    • 計算結果の表示
  • B.4 ジスルフィド結合を持つ(6+1)残基ペプチドの計算例
    • ジスルフィド結合を持つペプチド
    • ジスルフィド結合の表示
    • シナリオエディタにおける計算シナリオの作成
    • 分子軌道計算の実行
    • 収束状況と計算結果の表示
  • B.5 7残基ペプチドのシナリオの修正による計算例
    • 7残基ペプチド
    • シナリオエディタの機能を用いたシナリオ変更
    • 分子軌道計算の実行
    • 収束状況と計算結果の表示

あとがき

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